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「Broken Rage」(ブロークン・レイジ)
投稿日 : 2025/03/21(Fri) 16:24
投稿者 久保田r
参照先
 2025年2月14日よりPrime Videoにて世界独占配信開始。監督・脚本・主演はもちろんこの人、北野武。共演には大森南朋、中村獅童、白龍、浅野忠信など。

 「ねずみ」と呼ばれる年配の男は、いつもの喫茶店に立ち寄って1通の封筒を受け取った。中にはターゲットの名前と特徴と行動パターンが書かれた紙と顔写真が入っており、「ねずみ」はある夜、黒いサングラスをしてクラブに行き、懐から拳銃を取り出すやターゲットを射殺した。「ねずみ」は、殺しを生業としていた。そしてまたいつもの喫茶店に行くと、今度は札束の入った封筒とロッカーの鍵を受け取った。スポーツジムでの「仕事」の後、警察に捕まってしまう。あらゆる尋問に「知らねえな」と白を切る「ねずみ」に対し、井上刑事は取引を持ちかける。今までの罪を見逃す代わりに麻薬組織に潜入しろと。その要求を飲んだ「ねずみ」は手筈通りに組織に入り込み、覆面捜査を開始する。

 上映時間62分のうち前半はバイオレンスたっぷりのシリアスなパート、後半はお笑いたっぷりのセルフ・パロディのパートとなっているため切り分けると正味30分ほどといったところ。それぞれ映画監督・北野武イズムと、芸人・ビートたけしイズムの二つを味わえる構成。

 前半の本編は「アウト・レイジ」を見たことがある人ならばすぐに馴染めることと思う。特に冒頭の美しい夜景からゆっくりと人物へと切り替わるシーンに流れる美しい旋律の音楽の組み合わせは、まさに「北野武イズム」。主人公の行動や刑事のアウトローなやり方なども「アウト・レイジ」を彷彿とさせる。ただし、30分という短さのためかヒリヒリとした緊張感はさほどでもなく、むしろベタベタな分かりやすい展開で進むので呆気ない後味ではある。

 しかし、そんなやや消化不良気味な後味を、後半のセルフ・パロディのパートが笑いへと昇華しているため見終わると「あー面白かった」という充足感が得られる。この二つのパートで一つになっている組写真ならぬ組映像作品といったところ。

 鑑賞後に感じたのは、「アウト・レイジ」がSNSなど方々でパロディ化されている現状を本家本元である自分自身がやってみたらこうなった作品ではないかということ。映画とお笑いの両方に実績のある北野武、ビートたけしだからこそ実現できた試みではないかと。そして今や全世界に配信という方法がある時代。今回を足がかりに次の配信作品が作られるのでは…という期待が湧いてくる。

 前半にも後半にも何人ものお笑い芸人が出演している。馬場園梓(アジアン)、長谷川雅紀(錦鯉)、鈴木もぐら(空気階段)、前田志良(ビコーン!)、劇団ひとり、アマレス兄弟など。演芸場出身のビートたけしさんらしい配役であると思うが、特に前半のシリアス・パートに芸人の顔が映ると場の雰囲気がゆるむ。俳優陣の大森南朋さん、中村獅童さん、白龍さん、浅野忠信さんらの表情もどことなく楽しんでいる雰囲気が感じられる。そのため見始めてすぐに(これは喜劇なのでは?)と思ったほど。後半のパロディ・パートを見て(前半はあれでもシリアスだったのか)と思い直したほどだった。気さくにサクッと見れる作品ではあるが、バイオレンス・シーンがあるので周囲にお子様がいないか注意し「フフッ」と笑いながら鑑賞ください。


 追記。
 創造主だからこそのタイトル。けじめと解放、と解釈。一抹の寂しさもあるが、これもまた一つの理想形。
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