
「∀ガンダムT/地球光」
| 投稿日 |
: 2002/02/18 22:40 |
| 投稿者 |
: Excalibur |
| 参照先 |
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「ガンダム」の生みの親・富野監督自らが、久々に手掛けたTVシリーズの『∀ガンダム』。
世界名作物風「ガンダム」などとも揶揄されていたが、19世紀後半か20世紀初頭を思わせる舞台で始まった物語は、見る者の期待を良い意味で裏切ってくれた。このTV作品を再編集して映画化したのがこの作品。前編である『地球光』では第1話から第28話までがまとめられている。
シド・ミードの手になるターンAガンダムのデザインを見るまでもなく、斬新な「ガンダム」として期待されたTV作品だったが、実は放映時間枠などの関係から序盤の1クール分くらいしか見ていない。勿論今ではビデオで全話フォローすることも可能だが、それも先延ばしになり、やがて聞えてきた映画化の報に一も二もなく飛びついた。
先ず驚いたのがスクリーンのサイズ。従来のTVの総集編の作り方だと、天地を切って無理やりビスタ・サイズなどのワイド画面に作りかえるのが一般的。『宇宙戦艦ヤマト』をはじめ、ファースト「ガンダム」もそうなのだが、この映画は堂々のTVそのままのスタンダード・サイズ。常にスクリーンの両端に黒味が出るという潔さ。一度スタンダード・サイズでレイアウトした物の、その画面情報を損なわないための処置かと思うが、スタッフのこだわりが感じられるのは悪いことではない。スクリーンが小さく見えるという欠点はあるのだが。
ただ、圧倒的なTVシリーズの情報量の前では、やはり総集編は分が悪い。世界観やキャラクターを把握出来ないまま、ひたすら画面を目で追うだけになってしまうのだ。登場人物が右往左往し、物語はどんどん展開していく。端から「一見さんお断り」の雰囲気も漂うが、そこは富野マジック。画面の密度の高さに、我々はスクリーンを注視せざるを得ない。強引に物語世界に引きずり込もうとするのだ。そして観客は地図も持たずに見知らぬ土地に放り出され、それでもその土地に順応していくようになってゆく。あの、「起承転結」という物語の法則を無視した劇場版『伝説巨神イデオン』を引き合いに出すまでもなく、理詰めで攻めると思われがちな富野監督が、実は画面で物語を語るタイプの演出家だという証左でもある。まだまだアニメーション界には、富野監督が必要なのだ。

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作品データ
| 投稿日 |
: 2002/02/18 22:42 |
| 投稿者 |
: Excalibur |
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製作:吉井孝幸
企画:内田健二
原作:矢立 肇/富野由悠季
脚本:星山博之/千葉克彦/高山治郎/浅川美也/高橋哲子/太田 愛
音楽:菅野よう子
総監督:富野由悠季
(声)
朴 路美
高橋理恵子
村田秋乃
青羽 剛
稲田 徹
小山剛志
中西裕美子
2002年

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