
「宇宙戦艦ヤマト/復活篇<ディレクターズカット>」オリジナル・サウンドラック

Re: 「宇宙戦艦ヤマト/復活篇<ディレクターズカット>」オリジナル・サウンドラック
| 投稿日 |
: 2012/10/18 16:28 |
| 投稿者 |
: 久保田r |
| 参照先 |
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2012年にレイトショーという形で劇場公開された『宇宙戦艦ヤマト/復活篇<ディレクターズカット>』のオリジナルサウンドラック。2009年上映版のサウンドラックはEMIミュージック・ジャパンからのリリースであったが、当ディレクターズカット版はこれまで「ヤマト」のシリーズの音楽のほとんどをリリースして来た日本コロムビアから。
<ディレクターズカット>は、分かりやすく言うとオリジナルに手を加えた作品という意味で、サントラも必然とオリジナルの2009年上映版のものに手を加えたものということになるが、オリジナルは1枚であったのに対し、ディレクターズカット版はなんと2枚組。単純計算で2倍もの手を加えたアルバムということになるが、ディレクターズカット版の作品の大きな特徴の一つが大幅な音楽変更であったため、実際には2倍以上もの手の加えられたサントラとなっている。
2009年上映版の音楽の特徴はクラシック音楽が多く使われたことで、作品の後半部分の敵側の登場シーンや戦闘シーンにクラシック音楽が多用された。ディレクターズカット版では、そのクラシック音楽の使用を極力抑え、山下康介氏が作曲した『復活篇』のオリジナルBGMを積極的に使用し、またかつての作品の未使用曲などを組み合わせ、より一層「ヤマト」色濃い音楽構成となった。また、2009年上映版と同じ映像にも演奏やバージョンの異なるものを使用していたりと事細かな変更が行われているため、シーンの印象が若干変わっている箇所がいくつかある。そういった未使用曲や、バージョン違い、いくつかのアレンジといったこれらのものが収録されているため、当サントラは、取り分け「ヤマト」の音楽をコンプリートしたいというファン向けのアルバムといったところ。
もう一つの特徴は、収録楽曲が劇中で使用された順番に使用されたサイズで収録となっているということ(重複使用された曲は各曲一回のみの収録)。そのため最初から順に聞いていくとストーリーの展開が脳裏に甦り、映像や効果音やキャラクターの台詞までもが思い浮かぶほどの丁寧な作りであるのは確か。「ヤマト」の特色である音楽と映像の深い結びつきが、ストーリーの進行と同じペース配分で感じられる仕上がりとなっている。
使用順収録という点に於いてはサントラらしい形であるし、使用サイズでの収録というのも理屈の上では分かる。だが、「音楽集」を子どもの頃からひたすら聞いて育った私には不慣れなスタイルのため実はやや聞き難い。「ヤマト」=「音楽集」の私にとっては、劇中で使用されなかった部分も含めて一曲として完成している「音楽集」をこよなく愛して聞き込んで来たので、今回のように使用サイズに曲がカットされて編集がなされているのは、どうにもこうにも落ち着かない。ここからメロディーがこう展開されると分かっているのにその手前でカット。なんと情緒のない作りであることかと肩を落としてしまう。だが、それが当サントラのコンセプトであるのだから、”使用順・使用サイズ”での収録は、ストーリーがリアルに思い出されるという点に於いてこの内容で良いのだと思う。ただ長年親しんだ「ヤマト」の音楽に対する私の感覚の問題。(でも、この感覚こそが「ヤマト」の音楽が大切にして来たものであると信じているのですけれども)
さて、そんな個人的な感覚は横に置き、当サントラの収穫はかつての作品の未使用曲の収録。これまでの作品でふんだんに音楽を作って来た「ヤマト」であるが、未使用曲がまだいくつもあったことには率直な驚き。本当に音楽に関しては贅沢な作品。実はまだ未使用曲が眠っているのではないかと勘繰ってしまうほど。現在進行中の「ALMANAC」シリーズでどれだけの音楽が出揃うのか実に興味深い。「ヤマト」の音楽は、今なお新たな発見と魅力に満ちている。

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